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ジャスパー

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日本パステルホープアート協会公認 正インストラクター。
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2月19日

2009.02.19 02:10|日常のこと
注文した安房さんの本が5冊ほど届いて、そのどれもが一度は読んだことのあるお話なのですが、あらためてどっぷり浸って読んでみて、やはりこの人の書く世界が好きだなあと感じます。
いい歳して恥ずかしいような気もしますが、日頃はダークホラーとか小難しい本を読んでいても、私の渦の中心はやっぱりメルヘンなのだなと思わずにはいられません(笑

『白樺のテーブル』という短いお話があります。

引越祝いにと、友人から白樺で出来た小さなテーブルを贈られた「僕」。
最初は大切に使っていたのですが、月日が経ち、次第にテーブルの上には原稿用紙や本が雑然と積まれ、その重みで足はグラグラになり、部屋の片隅で忘れ去られていきます。
そんなある日、僕の元に白樺のテーブルを探しているという小さな女の子が訪ねてきて、ちょっとした魔法を披露します。
女の子がテーブルの上でハンカチを広げると、その上にはミルクティーとお菓子が。
驚いた僕は「きみは手品使いかい?」と聞きます。
すると娘ははげしく首をふりました。
「テーブルが森の一本の木だったとき、その木の下で、お茶を飲んだりお菓子を食べたりした静かなやさしい人達の思い出が、この木の中には残っているの。その人達は若い恋人どうしだったり、子どもをつれたお母さんだったり、編み物の好きなおばあさんだったりするの。そういう人たちと過ごした日々を、木は、テーブルになってもおぼえているんだわ」
けれどもある日大きな機械が何台もやってきて、森の木はすべて切り倒されてしまいます。
「木は、一本のこらずたおされて、血も流さずに死んでいったわ。声もたてずに死んでいった。あたしは切られた木のゆくえをとても心配していたの。とくに、かわいらしい白樺のことは、いつまでも忘れられなかったわ」


この話の続きはもちろんありますが、まあなんというか古典的といえば古典的なストーリーです。
大人になると、こういうシンプルな話をつまらんと感じてしまうこともあるのですが、ここらへんのくだりは私の毎回の泣きポイントです。
というか安房さんのファンタジーはふと涙する場面が多く、子ども向けの読み物というだけでは終わらない魅力があるなあとしみじみ思います。

私の心の中にもきっと忘れ去られたテーブルは存在し、そのテーブルの上はおそらく、手垢のついた電卓や分厚い辞書、読んだだけでわかった気になっている啓発本や領収書の束、書きかけの手紙だとか、さほど重要でもないのに溜め込んだあらゆる情報や理屈なんかで埋まっており、それらは私が生きていく上で確かに大切なものではあるのだけど、置いてはいけないテーブルの上に置いていなかったか、久々にこの物語に触れてそんなことをちょっと思っておりました。

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