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ジャスパー

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日本パステルホープアート協会公認 正インストラクター。
協会認定指定校「ジョナサン」を運営しています。
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8月15日

2007.08.15 11:20|日常のこと
8月10日に羽化が始まって6日目の今日、8頭全部の羽化が終わった。
今朝、最後に羽化した子は、幼虫の時に原因不明で一度死にかけたので心配していたけれど、いままでの中で最も大きくて美しいメス蝶になった。

これで全員羽化!やれやれ…と言いたいのだけど、実は先日の土曜日に羽化した2頭の蝶に問題があった。
1頭は、後の羽についている尾のような「尾状突起」が脱落してしまって、飛び方も不安定なのでしばらく様子を見ることに。
もう一頭のメスは完全な羽化不全…。
羽は縮んだままで、まったく飛べなかった。
けっこう落ち込む。 

私は幼虫を飼うことには慣れているけど、成虫の蛾や蝶を飼ったことがない。困った。
それでもなんとか蝶のエサを作ってセットして、ひと晩、2頭を同じ段ボールに入れて寝た。
次の日、尾状突起のないオスを部屋に放してみたら、なんだかいい感じに飛べるので、家の前は避けてダンナと二人で広い公園に放した。
力強く飛んで行ってくれたのでひと安心。
 
けれど羽化不全のメスのほうは見ているのも辛い状況で、何度も何度も飛ぼうとして激突して羽はボロボロになり、足も関節のところから次々と外れて最後には3本しか残らなかった。
私が覗き込むと壁をよじ登ってくるがとても辛い。

111_20140407112003e07.jpg


この3日間、蝶に吸水させることだけに執念を燃やしていた。
カルピス、ポカリスエット、黒砂糖なんかを、濃度を変えながら作って脱脂綿に染みこませ、ぐるぐる巻きになっている蝶の口(ストローのように差し込んで蜜を吸う)を爪楊枝でそっと伸ばして持っていくのだけど、どうも飲んでいる様子がない。
脱脂綿を刻んだり、テーブルに直接垂らして飲ませようとしたり、とてもとても苦労した…。
花屋の切り花も完全無視。蜜を吸う花が決まっているのか?
水分を摂ったからと言って元気になるわけではないけれど…。

ところで今朝、30センチほどの金柑の木が届いた。 
以前買った2本のユズは丸坊主になり処分してしまったので、大きな鉢がカラになってしまって、それにカポックでも買って植えようかなあと思っていた矢先に羽化不全の子を出してしまったので、なんとなく金柑を買ったのだった。
注文したのはユズを買ったのと同じお店。
届いてすぐに鉢に植え替えた。
見ると白い花がついている。
あ!この花ならいいかも、と思い立ち、花のついてる枝をパチパチと切ってケースに入れてみた。
もうかなり弱っていて今日が最後だろうと思っていたので、花と一緒に写真を撮った。
ファインダーを覗いてシャッターを切っていた時・・。

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自分からはたった一度も伸ばさなかった吸収官(ストローみたいな口)をモゾモゾと伸ばしているじゃないですか。
ああそうだ、柑橘類の匂いだ、そう思った。
なぜ気が付かなかったんだろう。 
ぐったりとした体でストローを伸ばす様子をファインダー越しに見て、シャッターを切りながら号泣した。
しかしもう支える足のない蝶はうまくストローを差し込むことが出来ない様子で、感傷にふけっている場合ではなかった。
カメラを放り出して、片手で蝶を支えて金柑の花の中にストローを差し込んでやった。
これが最初で最後の食事になるんだろうなと思ったらやり切れなくてたまらなかった。
 
ある程度時間が経ってもういいだろうと思い、蝶をまたそっと元に戻した。
そうしたら、これはもう本当に信じられないことだけど、私のその左手になんと一粒の卵がついていたのだ。
人差し指の付け根についた黄色い粒を見たとき、花粉がついたのかなとすぐに拭き取ろうとしたのだけど、瞬間的に卵だとわかってしまって呆然とした。
そうだ金柑だ。 
このメス蝶が羽がボロボロになるまで暴れていたのは、大空を飛びたいからでも蜜を吸いたいからでもなかった。食草になる木を探していたんだと気が付いた。
当然のことながら蝶は幼虫の食草になる木でないと卵を産まない。
金柑を与えたことで、たぶん安心して反応したのだと思う。
でも少し遅かった。 
そのあとも蝶は羽をゆっくりと上げ(渾身の力を振り絞ってるように見えて泣けた)何度かお腹に力を込めいていたが、そのたびおしりにある産卵の為の穴が少し開くのだけど、卵はついに出てこなかった。 
いったん羽を下げてしばらくしてもう一度羽をあげようとしたけれど、その時にはもう上がらなかった。それが最後だった。

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もう少し早くそのことに気が付いていれば、ユズだか金柑だかスダチだか知らないけど(どれも似たような木だ)、白い花のついた木なら近所にあったのになあ・・。
私の手の中に産み付けられた卵を慎重に容器に移し替えた。
卵は粘着質になっているので、潰れないように剥がすのがけっこう難しいのだ。
思えばこの母蝶も、最初はこんなふうに私が葉から集めたのだった。
それがきっかり1ヶ月前。 
その小さな粒がたった一ヶ月で見事な蝶になり、また一粒の卵を残して逝った。すごくすごく不思議だ。
一日だけ、尾状突起のないオス蝶と同じケースに入れていたけど、これが受精卵かどうかはかなり怪しい。 
と言うかほとんど望みはないように思うけどとにかく一週間様子を見てみようと思う。 
私が大事にしなければならないのは孵化するかどうかより、母蝶が死ぬ間際に私の手の中に卵を産んだことだ。
猛烈なスピードで成長し、短い生涯とその美しい姿から時々蝶は儚いものの代表みたいに言われたりするけれど、それを儚いと見るか激しいと見るか、それは人それぞれだろうと思う。 
私はこんなに激しく駆け抜けていく生き物を、まだ他で出会ったことにない気がする。

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