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ジャスパー

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日本パステルホープアート協会公認 正インストラクター。
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本棚にしまう前に/第一夜

2008.09.11 01:49|本棚
筑摩書房 徳井いつこ 「ミステリーストーン」より

75歳になった年、ユングは誕生日を記念して塔の家の庭に石碑をつくろうと思いついた、三角石を注文したのに、石切場の主人のどういう手違いか、並はずれて大きい四角の石塊が届けられた。

(ユング自伝より)
「私はその石を見たとたんに、「いや、それはわたしの石だ。わたしがもらっておく」といった。一目みただけで、それは私に全くぴったりしたものであり、その石で何かしたいと思ったからであった。(中略)その正面に、石の自然の構造として小さな円形が見えてきたが、それは私を見つめている目のようであった。そこで私はそこに目を刻んで、その目の中心に小さな人間の像、ホモンクルスを彫った。それはあなたがたが他人の目のひとみの中にみいだす一種の人形---つまりあなた自身---いわば一種のカビル、あるいはアスクレピオスのテレスフォロスに相当するものである。古代の像では、彼はフードつきの外套をきて、ランプを下げた姿で表現されている。彼はまた、行く手を指示する人である」

自らノミをふるって石を彫り始めると、言葉が雲のようにつぎつぎに浮かんでは消えた。ユングは「石自身に語らせよう」と考え、石のひとつの面に次のようなラテン語の詩文を刻んだ。

「私は孤児で、ただひとり、それでも私はどこにでも存在している。私はひとり、しかし、自分自身に相反している。私は若く、同時に老人である。父も母も、私は知らない。それは、私が魚のように海の深みからつり上げられねばならなかったから、あるいは天から白い石のように落ちてくるべきであったから。私は森や山のなかをさまようが、しかし人の魂のもっとも内奥にかくれている。私は万人のために死にはするが、それでも私は永劫の輪廻にわずらわされない」

それは石の言葉であると同時に、ユングが「内なる先祖」と名づけたものの声であった。

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